Twitterこねくしょん 吟味するスタンス・インタビュー 来るもの拒まず/ラガヴーリンをこよなく愛する反安倍政権アカウント

今回は、「愛国心の足りないなまけ者」さんにご紹介してもらった「吟味するスタンス」さんへのインタビューです。

では、インタビューの前に下調べをしておきましょうか。おや、「愛国心の足りないなまけ者」さんのツイートを2つほど発見。

ふむふむ。続いて、インタビュー対象の「吟味するスタンス」さんのツイートも4つほど閲覧してみます。

では、前置きはさておき、インタビューの開始です。

――最初の質問なのですが、スコッチのお話を伺えませんか? どんなスコッチを飲んで日々の憂いを癒しているのでしょうか?

吟味するスタンス 私が一番好きなスコッチは「ラガヴーリン」です。これはラフロイグと並んで、カスク臭の強い、かなり好みの分かれるウィスキーなんですけど、この薫りがたまらなく好きなんですよ。あと、ニッカウヰスキーの「余市」「宮城峡」なんかもいいですね。

――おお! 私は、ラフロイグが大好きですw

吟味するスタンス あの力強い薫りに惹かれると、もう他のウイスキーが飲めなくなりませんか(笑)?

――なります、なりますw カスクの薫りがたまらないですよねw もう一点、プロフから質問させてください。「迷った道が私の道」という言葉。どんな思いが込められているのでしょうか? 気になります

吟味するスタンス これは「二階堂」のCMに使われていた言葉を、そのまま借用しました。また酒の話になっちゃいますね(笑)。でも本当にどれも名作ですよね、二階堂のCMは。


――白状しますと、二階堂は初耳です。お酒の会社なのでしょうか?

吟味するスタンス YouTubeにもいくつかupされているのでそちらを参照していただけたらと思うんですが、どれもCMというより、映像作品の域だと思います。お酒を飲めない未成年の時からこの会社のCMは好きでした。

――これですね。大分のむぎ焼酎。

――素敵な散文詩ですねぇ。せっかくなので、書き起こしてみますね。

近道は遠回り。
急ぐほどに足を取られる。
始まりと終わりを直線で結べない道がこの世にはあります。
迷った道が私の道です。

(テロップ)
一生に何回
後悔できるだろう。

大分むぎ焼酎 二階堂

――そして、ハンドルネームの由来は、夢で出てきた言葉という話ですよね。

――2017年9月に、いまのアカウントはスタートしているようですが、その前後に、ネットではどんなことをしていたのか、教えてほしいです。ツイッターの開始前、スタート時の話など

吟味するスタンスさん そもそも私は、SNSをやろうという気は全くありませんでした。

もともと私はネットを通じて広がる交遊関係、というもの自体に懐疑的な人間だったんです。

私が大学時代の頃にはmixiが流行っていまして、友人から何度も誘いを受けていたのですが、頑なに断り続けました。

私が大学生の時というと、もう十数年前になりますが、その時の2ちゃんねるは今よりずっとアンダーグラウンドな感じがしていたんですよね。
私は、それがネットのあるべき姿だと思っていました。
それを便所の落書きを揶揄する人もいましたよね。
でも私からすれば、それの何が問題なんだ、と。
結構じゃないか。そういう、表では発言できないことも自由にできる。それがネットの最大のメリットじゃないか。学校や職場の友人とLINEとかで繋がるためにネットはあるのではない。それが私の哲学だったんです。

でもTwitterというものを知って、「ああ、これなら匿名で続ける限りは自由に発言できるな」と思ったので、試しに初めてみようかな、と思ったんです。

――おお! キーワードは、「自由」と「匿名性」のようですね。 「(2ちゃんねるでは)表では発言できないことも自由にできる」&「(Twitterなら)匿名で続けるかぎりは自由に発言できるな」

吟味するスタンス ネットで馴れ合いなんかしたくない。どうせ顔も名前も明かす必要ないんだもの。罵詈雑言で溢れてもいいじゃないか。それがTwitterを始めた当時の私の思いでした。
でも今はそうは思いませんね。実際にTwitterを活用していくうちに、だいぶ心境は変わりました。

――Twitter開始当初の「ネット哲学」は、馴れ合いはしたくないというものだった、と。だいぶ心境は変わりましたとのことですが、具体的にはどんなことが起きましたか?

吟味するスタンス 以前、Twitterで「女性だけの街をつくりたい」という意見が話題になったんです。男性のいない街になれば、痴漢にもあわない、夜道で暴漢に襲われることもない、そういう安心して暮らせる社会が欲しい、と。
それに対して、女性の立場から賛同する意見と、男性の立場からバカにする意見と、大きく二つに分かれていました。
でも私は「男性として」それに賛同したいと思ったんです。男性から絶対に危害を加えられない社会を築いて、恐怖から隔絶したいという気持ちは尊重されて然るべきだろう、と。
そういう気持ちで、あるツイートを投稿したのですが、それが予想を大きく上回る反響を得まして…。

――意見が二分されている状況で、それほど反響はないだろうなと思いつつ、第3の意見をツイートしたところ、ツイートは埋もれるのではなくて、大きな反響を得た、ということですよね

吟味するスタンス あれには賛否両論多くの返信が来ました。「男性からそのような意見を表明してくれて嬉しかった」という人もいれば、「フェミニスト気取りか」という人もいて。私としては自分が率直に思ったままを文章にしてツイートしただけだったんですけどね。

しかしそれを境にして、男女差別等の社会的問題を発するアカウントと相互フォローの関係になると、今まで私が全く知らなかった実態を、TLを通じて知ることになるんです。

――興味深い話です。Twitterは、タイムラインしだいで、面白くなりますものね

吟味するスタンス 痴漢にあっても泣き寝入りする女性がかなりいるんだということを知った時も驚きでしたが、個人的にショックだったのが「日本では様々な女性蔑視がまかり通っている」という指摘ですね。そんなこと今まで全く気付きませんでしたから。と言うか、そこまで頭が回っていなかったので。あ、これは日本の漫画や広告の話です。

――ともかく、Twitterきっかけの交流も、「捨てたもんじゃないな」くらいのお気持ちに、吟味するスタンスさんもなったという理解で大丈夫でしょうか?

吟味するスタンス そうですね、Twitterは、と言うか、今のSNSはみんなそうなのかも知れないですけど、私が思っていた以上に社会性が強くて、「ネットでは言いたいことだけ言ってりゃいい」というかつての私の考えは、もしかしたら古い価値観なのかも、と思っています。
昔のネット掲示板では生真面目な発言すると「空気読めてない」みたいに思われてましたけど、今はその逆ですよね。
ちゃんと世の中見てないとダメ。むしろ現実社会でのコミュニケーションの方が何となくの雰囲気で済んじゃう感じがしますね。

――ふむふむ。ちょっと話の方向性を変えさせてください。「吟味するスタンス」さんを紹介された「愛国心の足りないなまけ者」さんは、政治垢と、吟味するスタンスさんのことを述べていたのですが、その理解で正しいでしょうか? そして、政権批判よりの。

吟味するスタンス 政治垢で政権批判よりというのはその通りです。でも反安倍政権であって、必ずしも反自民党ではないんですよ、実は。

――吟味するスタンスさんに、政治的スタンスを、伺いたいです。必ずしも反自民党ではないという点ですかね

吟味するスタンス だって象徴天皇制は守るべきだと思っていますし、改憲論議をすること自体には賛成ですし、かつては普天間基地の辺野古移設にも賛成でしたから。

――皇室を守る立場で、改憲議論にも賛成なんですね

吟味するスタンス しかし自民党改憲案を見ると、これなら改憲しない方が絶対いいですよ。はっきり言って内容が前近代的ですもん。

――はい。

吟味するスタンス 必ずしも反自民党じゃないというのは、補足すると、昔の自民党に戻るのなら支持を検討するよ、ということです。それなりに国民生活のことを考えていた時代の自民党にね。

――はい

吟味するスタンス 今の国会議員で、かつての自民党の主義主張に一番近い人といえば、玉木雄一郎さんかもしれない。

――ほお。新党をたちあげた方ですかね。国民民主党。

吟味するスタンス あの人生まれる時代が違っていたら、宏池会のエース格になっていたんじゃないかな。

――すごーい!

吟味するスタンス 実際、あの人、大平正芳と何か繋がりありませんでしたっけ?  あ、奥さんが親戚なのか。

――話は変わりますが、愛国心の足りないなまけ者さんが、吟味するスタンスさんのツイートを高く評価していましたよ。

吟味するスタンス まさに今こうしてインタビューに答えながら思うんですけど、へたに自分の考え全部文章にしようとしたら、うまくいかないですね。短いフレーズに凝縮する方が向いているのかもしれない。言い換えればTwitter向けの人間ということですね。

――面白い自己認識ですね。元号に関するツイートは、僕も、「うまい」と思いましたよ。戦時中の野球にたとえた話もありました。

吟味するスタンス 何でしたっけ、それ。覚えてない(笑)

――貼りますので、ちょっとお待ちをw いくつかあります。

吟味するスタンス 改元に関する政府の対応には、本当に不満だらけですよ。
まず改元1ヶ月前に発表とはどういうことかと。天皇陛下の「おことば」を確認すると、退位を決めたのは国民生活に迷惑をかけたくなかったからだ、という意向がはっきり読み取れる。だったら半年前くらいに発表するのが筋でしょう。それを自称保守派が、伝統に背くだの、下らぬ横槍を入れて…。

それと、有識者を集めるにしても、集める人自身、つまりここで言えば安倍さんが、最低限の見識と教養がないと、まともなメンバーの選定ができないんだなと分かりました。

日本の歴史の中でも一番ひどい元号の決め方かもしれないですね。

――インタビューですが、質、量ともに十分、そろったと思います。なにか、最後に一言などあるでしょうか?

吟味するスタンス では最後に一言。

今、私がブロックしているアカウントは3つです。

少ないなー、と思われたでしょう。
そりゃあ不快なリプが送られてくることもたくさんあります。
でも、「そんな人も含めて、多くの人に自分のコメントを読んでもらいたい」という気持ちの方が強いんです。
これからも、嬉しい意見や耳の痛い意見をいっぱい受けつつ、面白いツイートができたらなと思います。

――ありがとうございました。では、次のアカウントをご紹介ください。

次のアカウントは、魔公子さんに決まりました。

吟味するスタンスさん Twitterリンク

取材・構成/草野信

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