Twitterこねくしょん ~Simon_Sinインタビュー ・「MOTHER」から「RHYMESTER (ライムスター)」宇多丸まで

【プロローグ】
2月初旬。
さてと、Twitter関連企画の取材依頼文でも書きますか。

【取材依頼文】
草野信と申します。
(社交辞令ではなく)いつも興味深く、Simon_Sin(さいもん・しん)さんのツイートを読ませてもらっています。

現在、2019年1月にスタートしたばかりの「EGURU News」(エグル・ニュース/世の中を「抉(えぐ)る」ニュースという意味)というサイトで、ライターをしています。インタビューをさせてもらえませんでしょうか? 

取材の趣旨を説明します。企画名【Twitterこねくしょん】ですが、『世間でも有名なTwitterのアカウントではなく、世間的には無名な方なのだけれどもフォロワー数も多く人気のある方にエグルが直撃取材。取材対象者の方からは、おすすめのアカウントを教えてもらい、どんどんTwitterで取材しながら「友達の輪」(古いw)を広げていきます』というものになります。

Twitter版の「森田一義アワー 笑っていいとも!  テレフォンショッキング」ですね。タモリさんの「笑っていいとも!」は、すでに番組終了してしまいましたが。

なお、さいもんさんが、以前、ゲーム『バンゲリングベイ』に関するツイートをしていたのを読んで笑ったのですが、これが「やっぱり最初の1人目のTwitter取材はこの方にしたい!」という私の動機になりました。いいゲームですよね、ウィル・ライトの『バンゲリングベイ』。

では、お返事をお待ちしております。

                     *

ドキドキ……。
インタビューOKしてくださるかな。
期待まじりの不安。不安まじりの期待が両方起きる。

                     *

数時間後――

Simon_Sinさんからの返信。

「面白そうですねえ。私でよければお受けします」

                     *

やったー!
無事、取材ができます!
ありがとうございます!

【プロローグ終了&取材開始】

――取材なのですが、まずは、雑談から入りませんか? スタートは、『Twitterについて日々、感じていること』や『Twitterと私』という、ありきたりな話題で雑談ではいかがでしょうか?

Simon_Sin 雑談で良いなら楽なものですw 

Twitterは何なのかはいまだによくわからないのが『共有のメディア』なのか『共感のメディア』なのかということですね。誰かに伝えたいのは情報なのか感情なのか。

「なんという面白い本だ?!みんなにこれを勧めなくては!」という情報共有の道具なのか「この事件ひでえな…みんなもそう思うよね?」という共感の道具なのか。

草野さんはいかがお考えですか?

――なぬ! 難しい質問なのでちょっと考えさせてください!

えーっと、糸井重里さんがPRG『MOTHER』について語るインタビュー映像を美術館でみたことがあるんです。糸井さんは、コピーライターもやって、小説も書いて、そして『MOTHER』でゲームも作った。その糸井さんのゲーム観なのですが、「小説が出産。コピーが代理出産だとしたら、ゲームはその中間(だと思うんだよね)」というものだったんですね。この話をあげたのは、理由が2つあって、1つ目は、「<情報共有の道具>と<共感の道具>の中間地点、両者の真ん中あたりがある(のかもしれない)というものです。

2つ目の <共有>と<共感>に関してですけれども、類義語として<共生>も挙げられるような気がします。Twitterでは、(楽観論すぎるかもしれませんが)ハッピーな<共生>も毎日のように起きていると感じています。ディストピアといったほうが良いこともTwitter上にある(ヘイト問題ほか)のは承知しているんですが、基本的にはTwitterを肯定しています。

Simon_Sin Twitterが共生の道具というのは面白い考え方ですね。

僕は漠然となにかをつぶやくということは割りと苦手で(なにをつぶやいていいのかわからない)他人のツイートの内容についてつぶやくとかラジオで話題になってたことについての考察とか補足とか突っ込みをつぶやくことが多いですね。

全く何もないところから話を始めるのは馬力がいるけどすでに動いている議論に乗っかったり後押ししたりするのは気分的にすごく楽というかやり易いのです。

糸井さんのゲームについてのスタンスも面白いですね。

小説が自分自身がジェットコースターに乗る体験、コピーがジェットコースターの興奮を伝えることだとしたらゲームを作るのはコースをつくって客に勝手にコースターを走らせるようなものですね。まあ中にはコースを作った人間の想定を越えた走らせ方をする客も中には出てきてそれはそれで楽しい。僕は本業はゲームを作る人なのでその辺りはすごくよくわかります。

――ジェットコースターのお話、いつものTwitterでのさいもんさんのツイートみたいですねw 続いて、さいもんさんの「ゲームとの出会い」と「プログラミングとの出会い」を振り返って、お話してもらってもいいでしょうか?

Simon_Sin やはりそこの話になりますかw

元々僕は標準的なファミコン少年で、普通にゲームを遊ぶだけの子供だったのですがある時人気ゲームの『ドラゴンクエスト2』をどうしても欲しくてオモチャやを巡っていたところ『バンゲリングベイ』という不人気ゲームと抱き合わせで売ってるのを発見、仕方なくそれを買って帰ったのですがこのバンゲリングベイが面白い。超面白い。超新鮮。ヘリコプターで飛び回りながら敵の工場や戦艦を倒すゲームなんですが、工場を破壊すると敵の兵器の生産が止まるので一時的に敵が弱くなる。なんだこれ!?ゲームの中に世界がある!画面の外にも繋がってるバンゲリング世界があるぞっていうんでもうドはまりで遊んでましたね。

そのうち「自分でもプログラムというのができればゲームが作れる」ということを知って『マイコンBASICマガジン』という雑誌を読みながらMSXというパソコンでゲームを作ってみたり、X68000というパソコンを親に買ってもらってCGアニメーションというのを作ってみたりしてるうちに気がついたらゲーム会社でゲーム作る仕事をしてましたね。もしバンゲリングベイをやってなかったら、あのオモチャ屋が抱き合わせ販売をしてなかったらゲーム作る仕事はしてなかったでしょうね。

まあそんな感じで入り口が『バンゲリングベイ』なものですからストーリーのあるゲームよりは「舞台とルールは作ったからあとは勝手に遊べ」と箱庭の中に放り出されるようなタイプのゲームが好きです。オープンワールドのゲームとか、シヴィライゼーションとか、パラドックス社のゲームとか。

――『バンゲリングベイ』は決してクソゲーではなかったですよね。さて、Twitterのアカウントをとる前の、さいもんさんのインターネットとの関わりも伺いたいです。あとは、Twitterをはじめたきっかけも。

Simon_Sin ツイッターを始める前は2ちゃんねるに入り浸ってましたね。というのも僕はニフティサーブというパソコン通信(インターネットが普及する前のネットワークサービス)をやってたのでテキストでじゃれあったり殴りあったりするのは好きだったのです。マトリックスオフにも出ましたし、嫌韓ムーブメントにも触れましたがいまいちピンと来なかったので傾倒はしませんでしたね。

――ふむふむ

Simon_Sin ツイッターをはじめたきっかけは友人から誘われたからですが、当初はあまりつぶやいてませんでしたね。つぶやきが多くなったのはラジオ実況で同じ番組を聴いてるリスナーたちが同じハッシュタグをつけてツッコミを入れたり評価したりしながら聴くという遊びが楽しくなってから、ですかね。当時はTBSラジオの夜のニュース解説番組「Dig」というのをやってたのでツッコミながら聴いていたものです。反いるか追い込み漁業映画だというのでちょうど日本公開が中止になった『ザ・コーヴ』の上映会の招待券が当たったのでその座談会をツイッターで実況をしたのを覚えています。

――さいもんさんは、ハッシュタグをつけてTBSラジオに関するツイートを多くされています。TBSラジオについての雑感を伺いたいです。

Simon_Sin ツイッターにハマったのもTBSラジオがきっかけなのは先にも話しましたが、昼のトークバラエティー番組『小島慶子 キラ☆キラ』をハッシュタグつけながらリスナー連中とワイワイやってるのも楽しかったですね。ツイッターのオフ会というのもこのリスナー連中と初めて出ましたし。

TBSラジオは柔らか目のアホな番組から真面目なニュース番組まで硬軟取り混ぜてとてもバランスがいいですね。

「Dig」とか「荻上チキ Session-22」とか硬めの番組は感情ではなく理性でニュースを論じてるのがとてもいいですね。リスナーの知性を信頼しているスタンスに好感がもてます。もっぱらゲーム製作の仕事をしながら聴いています。

RHYMESTER (ライムスター)の宇多丸もTBSラジオで知ったのですが、彼の映画評が面白くてこの映画についてはどんな風に論じるのかな?と番組のテーマになる映画を追っかけてるうちに年間60本くらいの映画を観るマンにもなりました。やはり映画会社以外がスポンサーになってると好き勝手なことを言ってくれるので(宇多丸の映画評は宇多丸の友人が経営してる食品卸メーカーがコーナースポンサー。ありがとう西原商会)いいですね。歯に衣着せぬ映画評といえばアメリカに渡った町山智浩さんもTBSラジオで映画紹介コーナーをやっていて参考になりますね。

――ではラストに、さんもんさんのTwitterでのフォロワー数の多さや、よくバズることについての雑感もお聞かせ願いますか?

Simon_Sin フォロワーを増やそうとは別に思ってないのですが、まあでもこんなアイコンの犬をフォローしてくれた人に得になるようなツイートをたまにはしようと思ってるくらいですかね。シーズン中は阪神タイガースの不甲斐なさに憤るツイートが多くなってしまうので。ラジオの実況ツイートも聴いてない人にも解るようにスタジオで起きてることを軽く解説しつつ突っ込むとか。

リツイートやいいねが多いのは嬉しいですけど、その数に誘導されてしまわないように気を付けないといけないと思います。

 ある大学の心理学の授業で学生たちが示し会わせて「黒板の右側に板書しているときは真面目に授業を聞き積極的に質問をする、左側に板書したら私語をしたりよそ見をしたりする」というイタズラをしたところ、心理学の講師は自分でも気づかないうちに黒板の右側しか使わないようになったそうです。

この逸話はなかなか示唆的なものがあるな、と僕は感じていて、ツイッターを始める前はまともだった人が「感情的な酷いツイート」が多くのRTやいいねを貰ううちに知らず知らずのうち理性よりも感情を重んじるタイプのツイートを連発するようになってしまった例を知っているので、自分が今おどっているのかおどらされているのかを自省しないとヤバいと思います。自分も含めて。

――SNSや動画サイトが持つ「負の魔力」だと感じました。いいことばかりではないですね。では、さいもんさんがフォローしているアカウントの方から、次の「Twitterこねくしょん」になる人をご紹介くださいー。

次回は、M16A HAYABUSAさんに決まりました。

取材・構成/草野信

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