コロナ第二波「ピーク通過」報道の危険性

「新型コロナウィルスの「第二波」のピークが7月末に過ぎた」と厚労省へ助言する専門家組織が見解を示した。確かに、8月1日前後の数日、全国で1500人を数えたのを境に、8月21〜23日の三日間の平均は1000人を割った。

ただ、今がピークかどうかなどは市中感染が広がってる状況では結論を言えないはずだ。新型コロナの新規感染者のグラフの波形は、コロナウィルスが、3蜜をきっかけに感染する以上、人間の自粛行動の結果でしかない。

8月1日前後に今のところ頂点を付けたかに見えるのは10日前後の感染からの潜伏期間を考慮すると、7月中旬に急拡大して、国民がまずいと思って自粛行動に出た結果によるものとみられる。特に7月23日に東京の感染者が一気に366人を記録した時に、その報道が全国を駆け巡り、それで7月末に現時点でのピークになり、東京では400人を突破する日が数日続いた。いよいよ危ないとなってさらに自粛を強め、現在まで”自発的なな自粛行動”が続いた。他にも夏休みと重なり、職場に行かなくなった影響ももちろんあるだろうし、感染拡大の報道により、大人しめの夏休みになったのかもしれない。そうした結果、他人に何人うつすかの実効再生産数(R値)が1人未満に減り、感染者数が減少を始めた。

したがって、少なくとも今から2週間後の9月初旬までは理屈上、新規感染者が減っていくはずだが、今下がり出したニュースが出てきたことで、またタガが緩んで、9月初旬から感染拡大する可能性はある。ただ、6月中は少なかった高リスクの高齢者の感染者が7月後半から増えだして感染者の年齢別比で10%を超えるようになったため、その高齢者の重篤化報道が増える可能性も考えられるため、また自粛機運が高まり、その結果、9月中旬頃までは新規感染者は減るかもしれない。

◆これから1か月踏ん張れるかが勝負

問題はそのあと国民が我慢できるかだ。4月の緊急事態宣言は解除が早すぎて残った感染者から再拡大を許し、オシャカになった経験がある。やや新規感染が減って油断した時に、総理大臣なり政治家が引き締めのメッセージを送るべきだ。今回の収穫は4月のような非常事態宣言で実質的な半ロックダウンをしなくても、3蜜回避策でR値を1未満に抑えられると分かったことだ。8月に入っての自粛活動であれば、経済との両立と言えるし、許容範囲かもしれない。

そして感染が一桁ないしゼロを2週間程度続けて、から自粛解除してどんちゃん騒ぎをすればいい。中国はそうして、ウィルスを完全に封じ込めた後、経済再開し、4−6月にGDP年率換算で前年同期比3.2%増を記録した。

いま、一部で、感染拡大しても関係なく「コロナと共存し、経済を回そう」という論調があるが、それは単なる空論だ。ウィルスが市中に蔓延している以上、多くの国民は感染リスクを遅れて自粛行動に舵を切り、一部の「自粛より経済」の掛け声を聞き入れるとは到底は思えないし、現に8月中旬から新規感染者が下がり始めたのは7月末からの自粛への行動変容の結果である。つまり、ウィルスがある以上、経済を回そうにも国民が自粛に行動変容するため、回らないのだ。

仮に、今この1日千人以下で満足して自粛行動を緩めたら今度は500や600を超えるまで、再度自粛へ舵を切らないかもしれない。こうして、新規感染者数が徐々に切り上がって行く状況。これが感染拡大であり、一番恐ろしい事態だ。(文責・山場豊信)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA