「原発バブル」の街、福島県いわき市の今

原発バブルに沸いた福島県いわき市。市内の土地が飛ぶように売れて、一時期いわき駅周辺のホテルは予約で一杯で、宿泊出来ない状態だった。夜の繁華街も大いに賑わっていた。そのいわき市の今は!?現地からのレポートをお送りする。

(おのっち)

原発バブルは弾けた

いわき市は、放射能の影響で住めなくなった地域に一番近い街だった。広野町、楢葉町、富岡町、双葉町、大熊町から多数の住民が避難して来た。震災の年、平成23年10月時の人口が約33万4千人。この人口がMAX時、約35万2百人まで膨れ上がった。

全国的に急激な人口減少が進んでいる中でのこの上昇は、異様だ。避難して来た住民が、東電からの賠償金で土地を買い、家を建ててそのままいわき市に生活拠点を構えた。

住民票を写さない原発作業員もいわき市から、バスで原発の作業に通った。原発の作業員は、MAX時約7千人。作業員は、市内のホテルを宿舎に使っていたため、ホテルは満室状態。出張に訪れる原発とは関係の無い企業の従業員が、近隣の街に宿泊し、そこから出張先に通う程だった。

夜の街も、作業員や避難した住民で溢れ、いわき駅周辺は相当賑わっていた。

9年経った今は・・・

いわき駅周辺は、かつての賑わいはもう無い。平日の夜は、閑散としている。東電は大熊町に、2棟で790人収容の寮を建設済み。作業員も原発周辺の街から通うようになっている。いわき市内のホテルの満室状態も解消された。

原発の作業員は、事故があった福島第一原発内で、今、約4千人が働いている。いわき市の平成30年10月時点の人口は、約34万2千人。原発の周辺の広野町や楢葉町に帰還した住民もいる。

普通の生活に戻った住民は、東電からの賠償金も打ち切られる。市内のスーパーでは、ショッピングカートから溢れるほど物を買い込む姿が見られた時期もあった。今は、もうその姿は無い。

市内のスーパーを取材したが、「売上は下がっている」と答えた。

平静を取り戻した街

バブルは、必ず弾ける。このことが、いわき市でも証明された格好だ。原発バブルで一時期、大いに賑わった街も、これからは、全国の地方の街同様に、人口減少と闘っていくことになる。

写真掲載元 写真AC

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