川勝知事辞任 政治家の不適切発言は何が問題なのか

静岡県の川勝知事が辞任を表明した。職業蔑視発言が問題となっている。(山場豊信)

確かに看過できる発言ではないが、そもそも不適切発言をする政治家の多くはたいていはお年寄りだ。麻生副総裁しかり、森喜朗元首相しかり、二階元幹事長など、すぐ思いつく常連政治家もほとんどが高齢者で、枚挙にいとまがないが、川勝知事も団塊の世代で76歳の後期高齢者。不適切発言をする政治家は圧倒的に高齢者に偏っているのが常なのだ。

不適切発言は個人の資質の問題というより、育った年代の価値観の影響が強いのではないか。しかも、誰しも生物学的な加齢の影響で、高齢になると、変わるのは難しくなる。筆者の知る70代以上の上も、おしなべて同じような価値観で、日常会話でこの種の発言や、無意識に悪意もなく差別的な発言が出るのがしばしばだ。

もちろん、筆者も発言内容を肯定する訳ではなく、30代や40代が同じような発言をしていたら、常識を疑う。しかし、世代により常識や価値観は違い、一般的に加齢で判断力が弱回る高齢者に今の価値観の追従を求めるのも酷と言える。

そもそも、政治家の発言は重いが、それは政策に反映されるから、重いのであって、不適切発言は政策に反映されることはない。また、発言により、露見してしまった資質が問題なら、慎重な発言を心がけるような性格であれば、セーフということになる。つまり、厳密に言うと、報道や世間は高齢者が注意深く、慎重であるかどうかの「性格」に白黒をつけているに過ぎなくなる。

川勝知事が良い政治をしていたかどうかは、有権者が判断することだが、政治家は発言より、行動や実行した政策による結果で判断されるべきで、性格や発言の印象で判断されるべきではないだろう。

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