少なくとも6社が関与した経緯? 函南町軽井沢地区のメガソーラー開発計画

 メガソーラーの開発計画に揺れる静岡県函南町。同町にとどまらず日本各地で太陽光発電をめぐり住民と事業者、そして行政が対立している実態がある。地域全体に影響が及ぶ開発であるにもかかわらず一部の人たちだけで進められ、開発に着手する直前になって詳細が明らかになり問題化するケースが多いようだ。なぜ、最初から地域と協調して計画を進めようとしないのだろうか?

メガソーラー開発計画に揺れる静岡県函南町の軽井沢地区

 山の斜面に10万枚もの太陽光パネルを敷き詰める計画が持ち上がっている静岡県函南町の軽井沢地区。地元住人は「水の問題があるのでメガソーラー開発など無理だと思っていたのですが、なぜか話しがどんどん進んでしまって」と戸惑いの表情だ。かつて同じ山に温泉付き保養施設を建設する計画が持ち上がったことがあったが、水の問題があり実現しなかったという。伊豆半島の丹那断層上にあるこの地域の盆地はこれまでたびたび浸水被害をもたらしてきた。山を太陽光パネルで覆ってしまえば雨水はさらにパネルを滑って人が住む盆地に流れ込むことは素人でも想像がつく。なぜ、そのような山の斜面にメガソーラーをつくる計画が進められたのだろう?

 現在、軽井沢地区で計画を進めているのはブルーキャピタルマネジメント(東京都港区)という会社だが、施設建設後に実際にメガソーラーを運営するのは中部電力の子会社、トーエネック(名古屋市)なので実質、ブルーキャピタルと中電・トーエネックのスキームでメガソーラー開発を行おうとしていると考えられる。ちなみにブルーキャピタルと中電・トーエネックを結びつけたのは東京産業株式会社(東京都千代田区)という三菱系の企業だと言われている。しかし、このスキームによって当初から計画が進められてきたわけではないようだ。地元住人は建設予定の土地について「ある宗教団体が取得するという話しもあった」「お坊さんの姿をした人が下見にきたという話しもある」と言う。僧侶が土地の下見とは奇っ怪な話しだが真偽は定かでない。

 ただし、ブルーキャピタルが乗り出す前に3つの会社がなんらかの関わりをもっていたようだ。3つの会社とは、合同会社函南メガソーラーパーク、函南メガソーラー株式会社、そして函南太陽光発電株式会社だ。合同会社函南メガソーラーパークは2013年8月に設立されており所在地は東京都新宿区だ。函南メガソーラー株式会社は翌年の2014年12月に設立され2016年8月に所在地を千葉県佐倉市から函南町軽井沢に移している。そして、函南太陽光発電合同会社は2016年2月に設立され所在地は東京都千代田区だ。開発予定地の土地は、2016年2月に当時の土地所有者から函南太陽光発電合同会社に売買され、函南太陽光発電合同会社は会社設立と同時に土地を取得したものとみられる。しかし、2年後の2018年2月にはブルーキャピタルに土地は移転し、ブルーキャピタルは2017年末頃から函南町の役場を訪れて行政手続きにかかる相談等を町にしていたようだ。

 2013年から2016年にかけて函南の太陽光発電事業に関連すると思われる会社が相次いで設立されたのはなぜか?最初に設立された合同会社函南メガソーラーパークは太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)のIDを取得したと言われている。しかし、この3社は企業としての実態があるのかよくわからない。また、現在、開発を進めようとしているブルーキャピタルとこの3社の間になんらかの関わりがあるのだろうか?確かなことは太陽光発電の名のもとに複数の会社が設立され、最終的にブルーキャピタルが建設を進めようとしており、完成したら中部電力の子会社のトーエネックが事業を担うということだ。しかし、地元住民は計画の中止を求めている。伊豆半島は2018年に地球科学的な価値をもつ地質などを保全することを目的とした世界ジオパークに認定されているが、そのような地域で計画されているメガソーラー開発の経緯や背景に不透明さが拭えない、そこに太陽光発電開発をめぐる本質的な問題があるのではないか。

(編集部)

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