鼎談『メディア報道の内幕』 ーー朝日新聞からテレビ~週刊文春、その編集方針から取材テクニックまで

今回はメディア関係に携わる関係者に「メディアとは報道とはなんぞや」という鼎談企画に参加してもらいました。少々長いですが、お付き合いを。

A新聞太朗 

新聞各社の違いで言うと、まず発行部数No1の読売は、基本的には会社と上司の言う事が絶対。記者の自由度は極めて少ない。逆に朝日の記者は一匹狼タイプも容認されていて、比較的自由に仕事ができる。毎日新聞も比較的自由だ。その記者の嗅覚を是認する両社の方針はスクープ本数にも出ている。 〈構成/山場豊信〉

報道とは

B出版二朗 

確かにそんな印象はある。ネットに流れるニュースでも「~であることが分かった」とは、所謂、自社スクープの際に使われる表現だけど、配信元を注意深くチェックすると、朝日と毎日が多い事が分かる。産経もたまにある。断然少ないのが読売だね。朝日はもちろん、毎日にも優秀な記者が多いという印象。ネットでは両紙の評判は悪いけど、それは上層部の編集方針であって、現場の記者はまじめに仕事をしていることは強調したい。よく、朝日も毎日も反日だから消えてなくなれと書き込むバカがいるけど、本当に消えてなくなればそれこそ追及される手が緩む政府が大喜びするだけの話だよ。

A新聞太朗 

よく言ってくれたよ。イデオロギーに関する記事は賛否あるのは仕方がないが、一番国民にとって重要なのは日々の事実の報道だよ。話を戻して各社論評すると、毎日は朝日や読売と比べると、記者の数が少なく、1人がカバーすべき分野が多いので、実力が付くという事だと思う。地味だけど、仕事が好きなやつが多いね。

Cテレビ三朗 

TVだってもちろんスクープはあるけど、TVはそもそも映像なので打ち合わせが多く、撮影クルーと一緒になる事も多く、なかなか取材対象に密着しにくいという不利な点がある。

B出版二朗 

そう言えば、読売は離職率が高いよね。

A新聞太朗 

確かに。「ヤメ読」とか言われてて、給料はいいのに、そんなに会社が嫌なのかと思う。朝日や、下手すりゃ半額近い給料の毎日に転職していく。

B出版二朗

では給料事情は?  出版なら、講談社と小学館は別格に高いね。入社数年で両社1000万に届く。文春の文芸春秋や新潮社も入社数年目はまだ500万円台だ。

A新聞太朗 

朝日、読売、日経は平均で1000万強じゃないかな。毎日で600~700万円、産経が600万円前後、実は毎日よりスポニチの方が高かったりする。スポーツ紙で言うと、スポニチ→日刊→報知→デイリー→サンスポ→東スポの順じゃないかな。デイリーは神戸新聞が安定しているので安くない。安定と言えば、中部地方で絶大なシェアを誇る中日新聞も平均で1000万円近い。

Cテレビ三朗 

それにしても、宅配を殆どやらない夕刊紙は厳しいよね。キヨスクもどんどん減っていて、もう売り場がコンビニしかない。

A新聞太朗 

最近は配送業者がどんどん撤退していてさらにやばいらしい。でも、今じゃOLと変らない東スポの給与だけど、実は20年以上前までは全マスコミトップだった時代がある。バブル直後の90年代は出版放送の売り上げピークだったけど、特に東スポは社員が少ないのに、090金融の広告がすごい売上で、通常ボーナスの他に年4回の臨時ボーナスが出てた。

B出版太朗 

聞いたことがあるな。ボーナスが22と聞いて、22万円かと思ったら、22か月分だったとかという。。

A新聞太朗

そう。入社2年目で1000万円を超えていたというし、仕事がない部長でも4000万円だったとか。Cテレビ三朗 さすがにTVも負けるな。それ。

A出版二郎

でも、90年代はいい時代だったよね。週刊誌も売れまくったからね。週刊誌も軒並み100万部以上売れる時代で、これはもう印刷所のキャパの限界だった。

Cテレビ三朗 

テレビも経費が使い放題。ゴールデンの一時間番組の予算が8000万円とかだった。     

A新聞太朗 

過去の栄光はこのへんにして、やはり、売上は少子高齢化とネットの隆盛でオールドメディアはどこも厳しい。詳しい数字は分からないが、実売は読売が800万部、朝日が600を割り、600万部台、毎日が200万を切り、産経も100万くらいじゃないかな。スポーツ紙の実売は10~60万ってとこでは?

B出版二朗 

出版も厳しいよ。週刊誌ではやはり文春が良くて発行部数は文春が50万、週刊現代、週刊ポストが40万前後、週刊新潮が30万強、実売がその5~6割ってとこでしょう。実は最近は文春も調子が良くないといいうね。

Cテレビ三朗 

もちろん、TVも例外ではない。調子がいいのは企画が当たっているテレ東くらい。しかし、テレ東は最弱のキー局という立場を利用して、売上を上げているのに、製作費をケチるから、制作会社からの評判は実は良くない。。TVで元気があるのはテレ東とテレ朝、TBSじゃないかな。日テレももちろんいいけど、2017年をピークに下り坂になっている。企画もマンネリだし。。フジはどん底から這い上がる兆しは見えていると思う。

A新聞太朗 

もうこの先、いい時代はないだろうね。どうあがいても、ネットの即時性と、柔軟性と面白さには勝てっこない。どんなに真実を取材して報じても、それに対する素人の自由な書き込みの方が面白い。

B出版二朗

確かに。では、話を変えて、読者も気になる取材方法や報道内容についてを聞いてみようか。

A新聞太朗 

例えば、事件取材で言えば、まずは所轄の警察署で報道対応する副所長が記者クラブ加盟の各メディア相手にレクをする。大きな社会を揺るがす殺人事件などになると捜査本部が立ち上がり、県警本部の捜査一課長が同様にレクをする事になる。この情報をもとに、各社、容疑者の関係先などに取材をかけるという流れになる。具体的にオーソドックスな取材手法としては、事件の加害者と被害者宅の近所を人海戦術のローラー作戦で聞き込みを行う。大きい事件では読売や朝日は周辺の支局からの応援で10~15人規模になる。

毎日だと5人くらいかな。ちなみに、読売や朝日だと、まだハイヤーが使えたりする。毎日や産経の記者が、雨の中、張り込みしている時に、読売や朝日はハイヤーの中でぬくぬくと言うわけ。事件担当は社会部の記者が担当し、刑事部の殺人を担当する1課、経済や知能事犯の2課、軽犯罪の3課、暴力団の4課にそれぞれ担当記者がいて、その課長や情報源の警察関係者に所謂、夜討ち朝駆けを行う。事件以外にも企業で合併や倒産などのニュースだと、経済部の記者が会社幹部に夜討ち朝駆けをする。省庁担当も同様だ。そういった取材源の家の情報は代々担当記者が先輩などから受け継ぐ。

B出版二朗 

ただ、週刊誌だと、そういったレクに参加するための記者クラブに入っていないので、知り合いの記者に聞いたり、人脈作りが重要になる。教えてくれるかどうかは、その記者の日ごろの付き合いとか、要はその週刊誌記者の腕次第。

Cテレビ三朗 

地方とかで事件が起こった場合、週刊誌はどう動くの?

B出版二朗 

まずは現場に行くと、報道陣がいっぱいいるので、名刺を配りまくる。そして、人のさ良さそうな記者に、「飯おごる」「謝礼が出る」とか、調子いい事いって、仲良くなって聞きだす流れかな。毎日や産経の若手記者がだいたい応じてくれる(笑)。読売や朝日も、個人次第だけど、平均的に毎日や産経と比べると、冷たいやつが多い印象。そして、自分が聞いた話も自社の記事に関係しない限りは、しゃべる。そうやって恩を売って、わらしべ長者のように情報をとる。

Cテレビ三朗 

そういえば、文春の名物編集長だった新谷氏はインタビューで多額の取材謝礼を払うような事はしていないと言っていたけど、実際は本当にそうなんだろうか。

B出版太朗 

今のことは知らないけど、10年以上前に文春から取材を受けた某告発者の話ではホテルに1週間缶詰にされて、100万円以上の謝礼が支払われたとのこと。そこまで払うかと思うが、よく考えてほしい。仮に100万円取材経費がかかったとしても、反響を呼んで、もし売上が1万部延びれば、それだけでペイできるからビジネスライクで合理的な投資とも言える。こういう判断ができる編集者は意外と少ない。特に新聞者系出版社は取材対象に金を払うなんて、ケシカランという読者にとっては無価値な美学が支配している。そんなこと言っても売り上げがないとどうしようもないのに。。ただ、基本的には記者としては、取材成果は足で稼ぐものなのは確かだ。

A新聞太朗  

読者は「都合よく、写真や加害者や被害者の証言が取れるものだ」と、成果物だけみて思うだろうけど、あれも現場の記者は相当苦労しているもの。 まずは、加害者や被害者の名前や住所は警察のレクなどで、出回る。そこからがスタートで、例えば高校生が加害者の事件が起きたとすると、まずは高校に行くことになるが、早々に学校からかん口令が敷かれる。だから登下校で取材するのはなかなか難しいい。次に、高校生が出没しそうな付近のゲームセンターやショッピングセンター、コンビニ、ファーストフード付近でめぼしい同世代の人間に片っ端から声をかけて情報を聞き出す。もちろん、答えてくれない人間の方が多いが、これは数打てば当たる、打率の世界だ。こうやって被害者や加害者の写真や証言をゲットするわけ。基本的には、どんな取材にも言えるけど、紹介紹介、で繋げてもらうパターンかな。ほかにも、事件取材なんかだと、地元のタクシー運転手は地域の情報に詳しく、関係者を乗せている可能性もあって現場に向かう際には近くても乗車して情報を聞き出したりするよ。

Cテレビ三朗 

また、企業関連のネタだと、まず法人登記を挙げれば社長の住所が分かるのでそこに取材に行く。また、その会社の取引先なんかも重要な取材先だね。法務局で調べられる登記情報は役員など、重要人物が分かり、関係性が分かるので、取材の際の重要な情報になる。あとは、名簿とかかな。もちろん、大手メディアになると、そうした情報のストックはたんまりある。この辺の情報入手スキルはやはり、ネット検索だけのネット記者とは勝負にならないだろうね。まあ、ネット記事の情報にすがる事も多いけど(笑)。事件関係だと、難しいのが都心部で近所付き合いもない一人暮らしで学校もだいぶ前に卒業した40代以上が事件の関係者になった場合だね。職場が分かればまだいいけど、最初は人間関係が分からず、取材が難航する。同じマンションの住人に取材しても挨拶程度だったりする。そんな時に役立つのがSNSだけどね。関係者がSNSをやってれば、写真もそこからゲットできる。    

B出版二朗

出た。SNS。あれは、取材依頼も晒されるリスクがあって、恥ずかしい思いをする(笑)。でも、最近は一般人がSNSで情報発信できてしまい、それが瞬時に広まるから、メディアはマジでピンチだね。ちなみにスポーツ報道はどうかな?

A新聞太朗 

これはやはり、専門のスポーツ紙に軍配を上げたいね。失礼ながら、一般紙の記者とスポーツ紙の記者では熱量が違う。同じ取材現場でも、例えば記者会見では、スポーツ紙記者はより多くの関係者により長く食い下がって少しでも面白い話を取材しようとするけど、一般紙の記者は会見が終わると、追加取材もせずに現場で記事を書くか、帰ってしまう。まあ紙面の扱いも小さいし、スポーツ紙ほどの内容を求められていないからそれでもいいっちゃいいけど。

出版二朗

あと、新聞は各紙同じコメントが多い。

新聞太朗

これには一般の人にも誤解があると思うが、別に各社コメントを融通し合ってサボってるわけではない。考えれば分かるが、だいたいスポーツでも政治でも経済でも事件でも、求める取材のベースは一緒。同じ内容の質問を同じ対象者に何度も聞くことが不合理だから、囲み取材なり会見成りになって、結果的にテレビも新聞も同じコメントになる。また、テレビや新聞は知ってても報じない事があるが、これは別に癒着しているわけじゃなく、日々の取材活動をする上で、どうしても書けない事がある。例えばよく取材する対象である警察官やスポーツ選手で取材中の雑談で不適切発言などあっても、いちいち書いてたら次は二度と取材に応じてもらえなくなる。もちろんケースバイケースで勝負する時はするが、大したことない失言では基本的に書かないだろう。そういう時にたまに小遣い欲しさに知り合いの週刊誌記者に流すわけだ。そういう風にメディアには役割分担があると思ってほしい。それにしても、話は戻るが文春砲は凄いね。やはり、他の週刊誌とは取材体制がずいぶん違う。  

B出版二朗

週刊文春はまず、経費がべらぼうだからね。記者は特派記者と言われる、業務委託の所謂、フリーの記者。高い方だと文芸春秋社の社員より多い、年収1500万円オーバー。経費も、できる記者だと月100万円近く使えるらしい。これが、「サンデー毎日」とかになると、月で3万円とか。ネタ元がどちらの雑誌に情報を出したいか考えれば、文春に情報が集中する理由が分かるでしょう。まあ文春に限らず、できる週刊誌記者は新聞の担当記者だけでなく、政官財の関係者といかにコネクションがあるかにかかっている。いざ、社会問題が発生した時、他社とヨーイドンと、すでに知り合いになっていつでも聞ける人がいるのでは大違いだからね。

Cテレビ三朗 

もちろん、文春など、週刊誌にスクープが集まる理由としては、メディアの特性がすごく大きい。実際は芸能など、TV関係者の方が、はるかにネタを持っている。そりゃこっちはタレントに金払って使う側だからね。でもそのズブズブの関係で逆に角が立つのでテレビが芸能スクープを発信する事はまずない。そりゃそうでしょ。自社で使っているタレントの不祥事を自社が報じても損しかない。また、おめでたい話でも、タレントはその局とだけ、仕事をしているわけじゃないので、一社だけ優遇するわけにもいかない。結局、利害関係のない、新聞や週刊誌が報じることになる。

B出版二朗 

でも、正直、大きなスクープというのは、基本的にタレコミがほとんどと思って間違いない。そりゃそうでしょう。取材を頑張れば、不祥事を教えてくれるほど人間優しくない。文春でも、特に近年存在感を増しているのは「文春リークス」と呼ばれるネット上の告発フォーマット。これが一日、何十件とくる。もちろん、ほとんどは記事にはならないが、やはり使える情報は、当事者やその周辺が告発してくるので、すでに証拠があらかた揃っている。ただ、告発の情報だけではもちろん記事にはできない。

A新聞太朗 

やはり、その情報を報道できるかどうかは機動力があるかないかが重要だね。その点、文春の凄さはそこだね。

B出版二朗 

そう。例えば、タレントAとBが不倫してついる、という確度が高い情報でも、実際、それを報道するためには、写真で抑える必要が出てくる。もちろん、1日、2日は張り込んだくらいでは写真は撮れない。長いと数か月とか半年とかかかる。それを可能にするには、経費や人件費も莫大にかかる。したがって、他の金や人のいない週刊誌やスポーツ紙ではそうした報道ができないので、結果的に、文春や同じくスクープ主義の週刊新潮だけからそうした報道が出るという構図になっている。因みに写真誌も基本的にはタレコミが多いが、写真誌はいくつかの撮影チームが都内近郊を車で回遊していて、有名人がいそうなところで獲物を狙うスタンスもある。そこまでやって確実な情報だけ出すから、もう記事が出ると分かったらその対象者は降参して、できるだけ早く謝罪会見をして、誠意を見せ、傷を小さくしようとする。。でも悲しいかなスクープは実は売り上げにはあまり結びついていない。

Cテレビ三朗 

テレビもそうだけど、それ以上に紙メディアは読者が高齢化しているからね。そりゃ、芸能人の不倫なんか金出してまで読まなくていい。

B出版二朗 

そう、週刊新潮もスクープより、健康や医療など、高齢者が興味ありそうな企画の時の方がはるかに売れ行きがいい。すでに、週刊現代や週刊ポストもスクープ主義をやめ、健康や医療の特集ばかりになっている。

A新聞太朗 

それはそれで、問題がないわけじゃない。芸能スクープをしたところで世の中は良くならないけど、やはり社会問題や無駄な税金の使われ方などの問題もほとんど週刊誌では書かれなくなっている。また、週刊誌の医療や健康記事は書き方にも問題があるんじゃないかな?

B出版二朗 

記事のテーマや趣旨が、週刊誌は「結論ありき」というきらいはある。でもこれは仕方ない面もある。週刊誌は発売の数日前が校了日で、早めに記事を仕上げねばならず、文春が新潮からの「盗み見」で話題になった中刷り広告はもっと前に作らねばならず、取材が終わる前にある程度の”結論”をそこに書いていなければならない。だから、週刊誌は結論ありきで取材して作るという文化ができてしまっている。これは新聞ではない事。実は派手な見出しで知られる東スポも結論ありきの取材ではなく、取材の成果に対して、派手な見出しを付けるというもの。作り方としては東スポの方が健全なのは言うまでもない。

また、週刊誌の記事の作成は特殊で、取材して、取材内容をデータにして編集部に送る「データマン」と編集部で編集長などから指示された見出しに沿って記事を書く「アンカーマン」に分かれる。だから両者に温度差が存在して、取材の趣旨と、編集部の方針がずれて、間違った事が伝わってしまうという可能性を残している。基本的には出版社系の週刊誌、つまり、講談社の「週刊現代」、小学館の「週刊ポスト」、新潮社の「週刊新潮」、それから実話誌や女性誌、写真誌もそう。ただ、文芸春秋社の「週刊文春」だけは記者が書くのが基本。逆に朝日系の「週刊朝日」や毎日系の「サンデー毎日」は見出しの縛りは若干あるものの、基本的には取材した記者が記事も書く。ただ、両誌は残念ながら面白くするという視点が薄く、つまらない・・。また、せっかく全国に散らばる支局網の記者を殆ど生かしておらず、持ったえない。

Cテレビ三朗 

テレビも基本的には企画会議で、受けそうな企画ありきで、決まるので、結論ありきになりがちだ。こちらは映像があるので、学者や識者には、企画の趣旨に合った事を言ってもらうまでは帰れない。

A新聞太朗 

だから、学者などに取材に行くと、テレビや週刊誌の取材がいかに酷いかと、愚痴をこぼされることが多いよ。特にテレビはそこにPR会社が入っていたりするから余計たちが悪い。ほとんどCMを情報番組にでっち上げたりしている。一方で、紙媒体の記事で多い「関係者コメント」はどこまで信用できるのかという疑問を持つ読者も多いと思う。

B出版二朗 

これもおこがましいけど、読者側にも理解が必要だと思う。というのも本当に社会的に有意義な告発というのは、告発者には多大なリスクが伴う。身バレなんかしようものなら、組織をクビになるくらいではなく、命すら危うい場面もある。だから、極端に言えば、例えば警察から取材している場合でも、マスコミ関係者からのコメントとして報じる場合もある。情報元が万一怪しまれた際に言い訳ができるようにするために配慮することは重要だ。それによって、裁判で不利になる事はなく、これは報道の仕方の範疇で認められている。もっとも取材した記者の資質によっては、でっち上げもあるので全てが正義というわけではないけど。まあ、いずれにせよ、一人で出版しているわけではなく、取材した記者の意向がすべて反映できるわけでもなく、言い換えれば全責任を負うわけではない。

そういう意味では、発信したい人が外部の編集なしに、情報を発信できるネットというツールはオールドメディアの記者にとっては画期的だ。それに紙メディアは基本どこも毎年、前年比で1割近くダウンしている。もう物理的なメディアに金が使われる時代じゃないのかもね。

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